第9章 そばにいて…
沖田「……懐かしいなぁ…。」
斎藤「…まだ、一年も経っていないぞ。」
沖田「そう、だよね…。でももう、すごく昔のような気がするよ…。」
寒空の下。
ずっと一君と一緒に、
永遠と…眠り続けることになってしまった
千鶴ちゃんを見つめている。
…こんなに寒いのに…
震えないんだもんなぁ…。
鼻や手だって、赤くならないし…。
これじゃあ、僕…
キミを温めてあげられないよ……。
斎藤「……あんたも、」
まだ黙って彼女を見つめている僕に対して、
一君は言った。
斎藤「…風邪を引かないように、な。」
沖田「?…うん。」
それだけ言うと、一君は去って行った。