アイドルだって恋しちゃいます!【アイナナ】R18禁
第5章 双子からのプレゼント/七瀬陸 九条天
「陸……だよ」
「オレ?」
「うん……」
「ありがとう!!凛!!」
「うわっ……!!」
陸ったら勢いよく抱き付いてくるから後ろに倒れちゃったよ
(頭ぶつけた……いたい)
ふと目を開けると天が私たちを見下ろして、小さな声で
「Happy Birthday……凛」
と呟いたように聞こえて胸が少し痛い。
「天っ……あのっ」
「じゃあね」
天はにっこりと笑ってウィンクを決めると部屋から出て行ってしまった。
ごめんね、天。
天の事がキライとかじゃない。
天の事よりも陸のが好きなの
陸の傍にいたいと思ってるの。
小さい頃から病弱で入退院を繰り返していた陸。
でもすれたりしないでとても優しくて、他人の痛みを自分の事のように思える優しさに満ち溢れている。
そんな陸が私は大好き。
アイドルになって私とは別の世界の人になっても、陸を好きな気持ちはずっと変わらなかった。
「陸……」
「あ……ごめんね。重たかったでしょ?いま、退くから
……って……凛?」
「……このままで……いて?」
「え?」
陸の背中に腕をまわしてしがみついちゃった。
離れたくないよ
「凛……オレ……このままだと……そのっ」
「え?」
「えっと……あのさ」
「うん?」
陸が顔を紅くしてモジモジとしているから私もつられてモジモジとしてくるんだけど。
多分、私と陸はおんなじ事を考えていると思う。
私と陸
2人同時に目を瞑った。