第19章 with you
Sside
「今日さ、朝風呂だったの…?」
気づいたらそんなことを聞いていた
そんなこと気にしても何の意味もないのに
智くんが誰と朝を迎えていようが、恋人でない俺には関係のないことなのに
あれから収録は難なくこなした
何事もなかったようにメンバーと別れて、1人の仕事も無事に終えた
だけど、いつまで自分の気持ちに蓋をして、偽りの自分でいられるだろう…
最近、智くんを見るだけで、本当の気持ちが溢れ出してしまいそうになる
一度蓋を開けてしまったら、二度と閉じないだろう
だからしっかり蓋をしておかないと、いけないのに…
ピロリンっ…♪
そんなことを考えながら自分の車で帰宅していると、メールが一件届いた
赤信号で止まった時、待ち受け画面を見ると、送り主は
たった今、考えていたあの人
ずっと思い続けている、智くんからだった
『いまから、会えませんか?』