第16章 桜の季節
Mside
それからずっと翔くんから目が離せないでいる
何年もずっとただ目で追いかけていた
だけど、俺らは同じグループのメンバーで、ましてや男同士
告白なんて出来るわけがない
収録を終えて楽屋のドアノブを握ると中から声が聞こえてきた
N「だから、聞いてる?」
O「聞いてるよ、でも本当にそうなの?」
N「だから!そうって言ってるじゃないですか」
O「えー、おいら結構メンバーのこと見てるんだけどなぁ」
N「いやいや、眺めてるだけでしょ?」
O「そんなことないよ」
N「あっ、こら…っ」
O「和のことは特に見てるよ?ほら、いま何がシたい、とか?」
N「ばかっ…!」
少ししてニノの男とは思えないような甘い声が聞こえてきた
まじかよ…
これはしばらく中には入らないなと思い、引き返そうと後ろを振り向くと、翔くんが立っていた
「わぁ!」
驚いた拍子にドアノブを持ったままだったから、楽屋のドアを開けて中へ飛び込んでしまった
NO「わぁ!!」
「ご、ごめん…」
N「い、いや、こっちこそ…」
O「もー、まつずん、邪魔するなよなぁ」
N「ばかっ!」
そう言ってニノがリーダーの頭を叩いた
気まずかった俺は、ほんとごめんな?と手を合わせて恥ずかしそうにするニノと少し不満そうなリーダーに謝り、早々に荷物を持って楽屋をでた
すると
S「松潤まって!」
後ろから翔くんが走ってきた
「どうしたの?」
S「いや、さっきは、驚かしてごめん…」
「あぁ、いや、そんなこといいのに」
S「あのさ、また、その…」
ん?なんだか言いにくいことでもあるのかな?
S「また、あの花見したところに行きたいんだけど…」
俺と一緒であの花見の日を思い出したのかな?
そんな小さな偶然にも嬉しく感じてしまう
重症だなぁ
「いいよ、じゃあまたみんなで…」
と、平然を装って答えようとすると、
S「あ、いや…2人がいいんだ!」
え?
2人で?
それって…
デート?