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小さな物語【気象系BL】

第16章 桜の季節



Mside

そして、後日2人であの花見をした場所へと向かった

桜は少し散っていて、葉がつきはじめていた

「なつかしいね、この辺で桜見たんだよな〜」

なんて懐かしんでいると、

S「あの時さ…」

翔くんがあの桜の木の下へと歩いた

S「あの時、彼女と別れて落ち込んでたけど、松潤が話しかけてくれて、嬉しかった
あの後もみんなが盛り上がってるときに、俺が落ち込んでて空気悪くならないように話振ってくれたり、気遣ってくれて、ありがとう」

あの日、ずっと元気がない翔くんにみんな話しかけづらかった

せっかく楽しい花見だし、翔くんも盛り上がった方がそのときだけは忘れられると思って

「迷惑じゃなかったなら良かった…人によっては放っておいてほしかったりするし…」

S「ううん、ほんと嬉しかった、ありがとう」

「それならよかった…」

そして桜の木を見上げた翔くんは、前とは違って何かを決めたような表情だった



S「松潤、おれ…」

こちらに向き直って、俺の顔をまっすぐみた翔くんは…


S「松潤のことが好きだ」



え?


いま、なんて?


「おれのこと…すき…?」


S「うん、突然でごめん…でもこの気持ちは突然じゃなくて、
ずっと悩んでた…メンバーだし、男同士だし…
だけど、ニノと智くんが付き合ってるってきいて、俺も、好きな人に気持ち伝えたいって思った」

あ、やっぱりニノとリーダー付き合ってたんだ

じゃなくて!!

「俺も同じことで悩んでた
男同士だし、メンバーだし…告白する勇気でなかった…」

S「え…?」

「俺も、翔くんか好きだよ」

S「うそ…」

翔くんの目には涙が浮かんでいた

「ほんと、あの日、ここで桜の木を見上げてつらそうにしてる翔くんを見て、俺が守りたいって思った…」

S「ほんとに…?俺も、あの日、松潤に声かけてもらって、すごく嬉しかった
あの日からずっと気づいたら松潤のこと見てた…」


「ははっ、もっと早く気持ち伝えればよかった」

S「ふふっ、俺も…」

にっこり笑う翔くんが綺麗で、俺はそっと抱きしめた

S「大好き…」

「俺も…」

俺らはしばらく見つめ合って、幸せを噛み締めながら、唇を重ねた


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