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彼女が□□した日。

第4章 風。


季節の変わり目でぐずついていた天気は、ようやく安定してきたらしく最近は晴れる事が多くなった。


10月。
カレンダー上では秋。

寒くなってきた事もあり、私も衣替えをした。
どうも人間と言う種族は気温の変化に適応しなければ風邪とかインフルにすぐかかっちゃう。


私もいつまでもキャミソールにオーバーオールとか薄手のパーカーだけだとさすがに風邪ひくだろうと思ったし。




イオ「おー待たせー」

アズサ「あ・・・イオさん・・・」

イオ「おっ、アズサくんも衣替えしたんだ?
私もだよー。季節は秋だねぇ」

アズサ「・・・ふふ・・・うん。
イオさんも・・・袖・・・長いの、着てきたんだね・・・」

イオ「うん、今日は風強くて肌寒いって天気予報で言ってたから。
アズサくんもそのキャスケット帽子似合ってるね」

アズサ「ん・・・ありがとう。
・・・それで、今日は・・・良いの・・・?」




今日はアズサくんが前に見たいと言ってた、私の仕事を見てもらう日。まあ、事務所の社長室に行くだけだけど。

いつもは家とか街中の公園とか穴場の喫茶店とかで曲を考えるんだけど、今日は事務所に新曲を提出する日だからちょうどいいかなーと思ってアズサくんを誘った。




イオ「うん、いーよいーよ。
別に堅苦しい話するんじゃないし、それに1番毛嫌いされてる人にも会わないと思うしさ」

アズサ「・・・1番・・・毛嫌い・・・・・・?」

イオ「うん。
まあ、取り敢えず中に入ろ?」




アズサくんの手を引いて事務所の中へと向かう。

入ってすぐに用務員のおばさんにぱったり出会ったから「おはようございまーす」と挨拶する。


するとおばさんは「あらあら、若いっていいわねえ」なんてにこやかに言ってきた。

・・・うわー、これ井戸端会議とかのネタにされるよ。



ヒソヒソ・・・



アズサ「・・・・・・?
ねえ、イオさん・・・」

イオ「あー、あんま気にしないでいいよ。いつもの事だから」

アズサ「いつも・・・の?」

イオ「ん、いつもの。
お。着いた着いた」




目的地の部屋に到着して、私はアズサくんから手を離した。



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