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彼女が□□した日。

第3章 血。


side:ルキ

なるほど、ユーマ達の言っていたのはこれか。


キバを突き立ててすぐに滲んできたその血を啜れば、甘いとしか形容しがたい味がした。
甘く、熱い。

これ程までとは思いもしておらず、俺は柄にもなく溢れてくるその血を飲み込んだ。




ルキ「・・・っふ・・・・・・・・・、ん・・・」

イオ「・・・、っ・・・ぅ・・・く・・・っ」

ルキ「は・・・っ・・・ん・・・ッ・・・・・・。
・・・・・・お前の血は・・・不思議だな・・・・・・」

イオ「う・・・っ。
・・・ふ、しぎ・・・??」

ルキ「どんな物よりも美味・・・・・・その一言に尽きる。
・・・ずっと吸っていたくなる、そんな味だ・・・・・・っん・・・・・・」




軽く言葉を交わし、再びその首筋に齧り付いた。


本当に不思議な血だ。
俺としてはずいぶん長く吸っていなかったと言うのに、少量吸っただけで力がここまで回復するとは。


正直、血の味なんて期待していなかった。
ただ・・・どうもユーマ達の言っていた事が気になっていた。
コウに至っては倒れてしまうまでに我慢していたのに、それでも少量吸っただけで回復したと言っていた。
ユーマもユーマで、吸い尽くしてやろうと思っていたにも関わらずこの血を一口飲んだだけでその考えは失せたらしい。コウも同じ事を思っていたとか。


・・・なるほどな。
その原因がこれか。


血を啜る度に、小さく声を漏らすイオ。
だがそれは決して快楽を感じているからでは無いらしく噛まれている痛みに耐えているようだった。

・・・少なからず快楽を与える噛み方をしているにも関わらず、だ。




イオ「・・・っん・・・・・・、ぅ・・・っ・・・」

ルキ「っは・・・・・・チュ・・・・・・、っ・・・。
・・・ふ・・・・・・ん・・・っ」




俺とイオしか居ない部屋で、俺が血を啜る音と僅かに声を漏らすイオの細い声だけが響く。


本当に、お前は何者なんだ・・・。
お前は、本当に人間なのか。

吸えば吸うほどにイオ自身に聞きたい事が増える。
だが、今だけはこの甘美な味を味わっていたい。


あの御方の遣いであろう監視役のコウモリの視線を感じながら、時間だけは過ぎていった。
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