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彼女が□□した日。

第1章 虹。


side:コウ


二ヶ月も吸血衝動を抑えていたせいもあってか、その反動で気を失うまで吸わないかと言う心配もあった。


でも、そんな気は失せた。

ヒメ猫ちゃんの血を1口、口に含んだだけ。
それだけなのに思わず鳥肌が立ちそうになった。


なんて言うか・・・今まで吸ってきたどんな血よりも、美味しい。
本当にこれは血なのかと疑いたくなるくらいに。

1口飲んだだけなのに、あれだけ力が入らなかった身体が回復してしまったから。



がちゃっ


コウ「やっほ、みんな♪」

アズサ「・・・!
コウ・・・・・・もう、大丈夫・・・なの?」

コウ「うん、見ての通り。
ヒメ猫ちゃんのおかげだよ」

ユーマ「顔色もすっげー良いみたいだな・・・。
その様子だと相当吸ったんだろ、気絶させちまったのか?」

コウ「ううん、オレ的にはそんなに。
でも久々にお腹一杯だよ。
念には念を入れて、ヒメ猫ちゃんにはオレの部屋で休んでもらってるけどね」

ルキ「・・・そうか。
吸い終わった後は大丈夫だったのか?」

コウ「それがさ、ヒメ猫ちゃんてばほんっと変わってるって思っちゃったよ。
オレがヴァンパイアってだけで嫌う訳無い、だってさ。あーあ、心配して損しちゃったよー」

ユーマ「はあ?
なんだそりゃ・・・アタマ大丈夫なのかよ、イオって奴」

アズサ「コウに・・・血を、吸われすぎて・・・・・・おかしく・・・なっちゃった・・・?」

コウ「うーん、まあヒメ猫ちゃんって元々フツーの人間よりズレてるからね。
変わってるのがフツーだよ、あの子は」




そう、変わってるのが普通。


リビングに居たオレの兄弟にそう言えば、微妙に納得してる様子だった。


あの子と一緒に居ると、兄弟とは違った安心感を感じれる。

出会った当初からあんな感じだったし。
無愛想に見えて、かと思えば表情がコロコロ変わる。
掴みどころが解らない、だけど誰にでも接する性格。


一緒に居て飽きた事なんて無い。
見てて飽きない。


いつでもどこでも、自分に素直。


そんなヒメ猫ちゃんだから、オレも自然体で居られるんだ。

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