第7章 夏合宿1日目。
恋心を自覚してしまった私がリエーフのタオルに顔を埋めていれば木兎が叫び出す。
「なあ黒尾ぉー!スパイクってさー、ブロックがあるから燃えるっつかぶち抜きたくなるんだよなー!ブロックいなきゃ練習になんねーよ!」
「じゃあ俺ミドルブロッカーだからブロック飛びます!」
スパイク練で床に伸びていたリエーフが木兎に駆け寄ろうとする。
が、それよりも早くクロはリエーフの首根っこを掴む。
「お前はトス練‼︎…じゃあどっかからミドルブロッカー引っ張ってくるか…」
誰か通り掛からないかな…
私はタオルから顔を上げふと窓の外を見ると誰かが通路を歩いている。
きらきら輝くお月様のような髪色に黒縁眼鏡。
『蛍じゃん。』
「けい…って誰だ?」
ぽつりと呟いた私の声にクロが反応する。
『烏野11番』
「お!烏野のメガネ君か…たしかミドルブロッカーじゃん。ちょっとナンパでもしてくるか。」
そういうとクロは体育館の入り口に向かい、蛍に声をかけた。
「あ、チョットそこの!烏野の!メガネの!」
クロは外にいる蛍に手招きをしながらニヤニヤ笑う。
「ちょっとブロック飛んでくんない?」
なんか嫌ーなこと考えてそう…
そんな私の予想は当たることになる。