第7章 夏合宿1日目。
「「「あざーっしたー!!」」」
みんなの掛け声で今日の練習が終わる。
よし、ご飯ご飯食べよう。
食事に行こうとすると、後ろから名前を呼ばれた。
嫌な予感がするが、一応振り返るとそこにはクロがいた。
『…何?クロ。』
「今からリエーフレシーブ練なんだけどさ、美優がいたら逃げ出さねーと思うんだわ。ってことでお前も来いよ。」
『お断りします。』
逃げようと入り口に歩き出そうとするとクロに手首を掴まれた。
『私今からご飯食べに行くんだけど…』
「へー?今から部員が自主練頑張るのにマネージャー様は優雅にお食事ですかー。」
『けんまはご飯行ったもん!』
私も頑張ったしご飯食べたい!
「マネージャーは部員のやる気出させてこそだろ。お前に拒否権なんてねえよ。」
そういうとクロは無理やり自主練の体育館に連れて行こうと私の手首を引っ張る。
『いーやーだぁぁぁぁぁぁあ!』
私負けない。自主練なんて混ざらないで夕飯食べに行くんだ。行きたくない一心で自分の出せるだけの力を出してその場に留まる。
だけどさすが現役主将。必死でクロの手を外そうとしても、離れる気配はない。
「ったくしょうがねーなー。」
私の必死の抵抗にため息を吐いたクロが手首を掴む力を緩めた。
やっとわかってくれた。
そう思って私も体の力を抜いた。その油断した考えが悪かったのか、一瞬で私の体は宙に浮く。いつの間にか私の体はクロの肩に担がれていた。
『ちょっとクロ!下ろして!』
「美優軽いな。ちゃんと飯食ってるか?」
『いやぁぁあ!拉致られる!』
じたばたと抵抗すると、クロは私の腰を肩に抱え直し荷物のように私の腰を抱えた。
「うるせー!動くな!でっけーのが当たる!」
『セクハラ!当たるのが嫌なら下ろせ!』
「それは無理だわ。捕まってろよ!」
『いやぁぁぁあぁあ!』
こうして私はクロに拉致られ、第3体育館に連れて行かれたのだった。