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あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第7章 夏合宿1日目。



バスに乗り約2時間。いつの間にか寝ていたらしく、私は誰かに揺り起こされた。目がさめると目の前にはクロの顔。

『あれ、クソ尾。着いた?』
「寝起きでディスるのやめろって。森然着いたぜ。お前ら早く降りろよ。」

お前ら?
横を向くとリエーフも寝てる。っていうか私、リエーフの肩借りて寝てたのか。
リエーフ睫毛長っ!
色も髪の毛と同じライトグレー?シルバー?キラキラ光って綺麗。
引き締まった頬も意外とふにふにすべすべ。
羨ましくてつんつんしまくってたらリエーフの顔が歪む。

「ん…」
『リエーフ、森然着いたよ?もうみんなバスから降りてる。』

リエーフ薄く目を開けまぶしそうに眉間にしわを寄せる。そして再び目を開けると、私の頬に唇を寄せる。

「おはよ…美優さん。」
『おはよ…』

耳元で囁かれた声はいつもより低く掠れていて身体中の血液が沸騰したんじゃないかって思うくらい顔が熱くて。心臓の拍動が煩いくらい鳴り響いてて。

離れていくリエーフの顔を見れない。

「んーっ!寝たー!ん?美優さんどうしました?」
『なんでもないっ!ほら行くよ!』

起き抜けに伸びをするリエーフに顔を見られないように俯きながらリエーフの服を引っ張って私はバスから降りる。

『私、残りの荷物下ろしてから行くから先言っててっ!』

私の態度を不思議がるリエーフの背中をぐいぐい押し、先に体育館に行かせる。他のみんなとリエーフを見送りながら私はその場に崩れ落ちた。

あんなの反則だ。

あんなリエーフ、知らない。

息遣いまでわかるほどに近づく唇、甘く耳をくすぐる声がまだ残っているような気がして、私は勢いよく頭を振った。このままでは1人遅れてしまう。少しだけ冷静さを取り戻すと残りの荷物を持ち、先に行ってしまったみんなの後を追った。



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