第6章 みんなとお出かけ。
商業施設に入るとまず先に合宿で必要なものを買い揃えていく。テーピングや絆創膏をいつもより少し多めに購入。他にもコールドスプレーや湿布など消耗品を買い揃えた。
その後はファストファッションで有名なお店で私の部活用のTシャツを買った。Lサイズを試着したら胸のところでつかえて入らないというハプニングもありましたが…
備品をあらかた買い揃えた後はお店を適当に回ったり、ゲームセンターに寄ったりした。ゲームセンターでは音ゲーでけんまのプレーの凄さを目の当たりにしたり、クロとやっくんがレーシングゲームで対戦してるのを見ていた。
そういえばリエーフがいない。
クロたちにリエーフを探しに行くことを伝え、ゲームとゲームの間をぐるぐる回ればリエーフはクレーンゲームと戦っていた。
後ろからそっと覗いてみると、猫のぬいぐるみを取ろうと頑張っている。
1回、2回失敗し、3回目。
うまく体に引っかかったようで景品の取り出し口に落ちる。
私は嬉しくてつい、声をかけた。
『リエーフすごーい!』
「美優さん!見てたんすか⁈」
『何取れたの?』
リエーフが取り出し口から手のひらサイズのぬいぐるみを取り出す。そして、そのぬいぐるみを私の手に乗せてきた。
「あげます。美優さんにあげるために頑張ってたんで。」
もらったぬいぐるみを見るとライトグレーの体にエメラルドグリーンの瞳の猫。
『リエーフみたい…』
ふと、リエーフを見ると少し照れくさそうな顔。
もしかしてリエーフ…自分に似てるって思って取った?
「俺いなくても、俺みたいなのが一緒にいれば寂しくないかなって…思って…」
照れながら呟くリエーフがかわいくて私は猫のぬいぐるみを胸元に握りしめ、お礼を言う。
『リエーフありがと…大事にするね?』
ふわりと微笑むとリエーフはさらに顔を真っ赤にさせて私を抱きしめた。
「やっぱり美優さん可愛いです。制服の時もジャージも可愛いけど…私服可愛すぎますって…誰にも見せたくない…」
『リエーフ…』