第6章 みんなとお出かけ。
「不純異性交遊禁止。誰にも見せたくなくてもそろそろ帰らなきゃならねーから、美優放してやれよー。」
私の見えないところから声が聞こえてきたので思わず聞き返す。
『やっくん?』
「夜久さん⁈空気読んでくださいよ‼︎」
「…明日の部活のレシーブ練、いつもの3倍な。」
「それはないっすよー。夜久さぁぁぁん。」
明日のしごきのメニューを聞いたリエーフは私から離れやっくんの後をついていく。後を追いかけようとするとふと、立ち止まったリエーフは私に手を伸ばす。
「行きましょう?」
私は伸ばされた手を取り握り返した。
私はこんなに幸せでいいのだろうか。
そのうちこの幸せが崩れ去ってしまわないか。
最近はそんなことばかり考えてしまうんだ。
家に帰った後、合宿の準備をしながら私はため息をつく。
少しずつ、少しずつ
リエーフと関係あるものが増えていくたび、嬉しさと同時に不安になる。
私はリエーフのそばにいていいのか
リエーフの邪魔になっていないか。
リエーフが沢山の好きをくれるたび、答えたいと思う心と不安な気持ちが入り混じり
いつも、どうしたらいいのかわからなくなるんだ。