第6章 みんなとお出かけ。
『ただいまー』
練習が始まる直前、着替えた私は体育館に戻る。体育館に戻った私を見て、みんなの動きが止まった。山本に関しては赤面し持っていたバレーボールを落としている。
『私、変?』
視線に居た堪れなくなり聞けば、クロが口元を手で隠しながら目をそらす。
「いや、音駒ジャージにその髪型は反則だわ…」
髪型?暑くて邪魔だったからポニーテールにしたんだけど…
『似合わないんなら解くよ?』
ポニーテールを解こうと頭に手を持って行こうとすると目の前からリエーフが走り寄ってきて私をぎゅーっと抱きしめた。
「美優さん可愛いー!赤いジャージかわいーっすね!その髪型も犬の尻尾みたいにぽんぽん揺れてかわいーっす!美優さんマジかわいーっす!」
『リエーフ…あづい…』
ただでさえ外はうだるような暑さ。それなのにリエーフに抱きつかれたら余計に汗が止まらない。でも抵抗する力もなくそのまま抱かれている。
「美優、Tシャツ黒じゃないんだ。」
けんまはジャージの中のTシャツが学校指定のものなのに気づき首を傾げる。
『Tシャツは入ってなかったの。猫又監督からのメモが入ってたんだけどTシャツは黒でワンポイントならなんでもいいって。ジャージ着る回数も少ないからそこは好きなのでいいってことみたい。』
けんまに説明して、私はふと思い出す。
『そういえば黒の無地T持ってない。』
私がふと、呟いた声をしっかり聞き取ったらしく、クロは提案をしてきた。
「じゃあ買い出し行くか。」
『買い出し?』
私が質問するとクロが答える。
「あぁ。どうせ明日部活休みだろ?どうせ合宿前に足りなくなってる備品買わなきゃなんねーし。」
言われてみれば、前回の合宿で使った備品の補充がまだだ。テーピングや絆創膏も残り少ないもんなぁ…リエーフが突き指してむちゃくちゃ使うから。
「買い出しついでに少し遊ぼーぜ?で、明日予定空いてるやつ。」
クロの問いかけにとりあえず私は手を挙げる。他に手が上がったのは、クロ、やっくん、けんま、リエーフ。
なんとなくいつものメンバーなのは気にしない。
「じゃあ部活終わったら予定立てんぞー!」
『おっけー!』
準備再開するぞ、のクロの声に周りにいたみんなが動き出した。