第1章 わんことの出会い。
side孤爪
授業が終わった後着替えて体育館に向かう。
これからまた暑くなってくんだよなぁ…暑いの嫌い。
この気候が一年中続けばいいのに…
ん、体育館…騒がしくない?
っていうかこの声、美優…とリエーフ。
大方リエーフがいらないこと言って怒らせたんだろう。
仕方ない…
「…美優。」
体育館に入りおれが名前を呼ぶと美優の怒った顔がすぐに笑顔になる。美優が笑うと花が咲いたみたい。怒ってないでいつも笑ってればいいのに…
『けんまー!リエーフくん酷いんだよ!私のことチビって言った!』
美優は身長がコンプレックスみたいでチビとか小さいって言われるとすぐに怒る。
「美優はそのくらいでいいよ。そのくらいがかわいい…」
美優の頭を撫でると美優はふにゃっと顔を綻ばせて笑う。
『本当?でもけんまの方がかわいーよ!』
「俺…可愛くない…」
美優と話をしているとクロがやれやれ…みたいな顔をしておれ達に近づいてくる。
「やっぱ美優の暴走止めんのは研磨が適任だわ。」
「美優連れてきたのってクロ?」
「あぁ。研磨そろそろ美優不足かと思ってさー。」
「美優不足ってなんなのさ…」
まぁ、会いたかったけど…それに部活中もずっと会っていたいのはクロの方じゃないの。
そんな話をしているうちにいつの間にか部員全員が集まったので練習が始まった。
練習…疲れる……
でも、今日は美優いるから…いいや。