第5章 初!合宿。
『ここって入って大丈夫⁈ 』
小声で尋ねればリエーフは人差し指を私の口に当ててくる。
ここは屋上に通じる階段。調理室に鍵をかけたあとリエーフに手を引っ張られて連れてこられたのがここ。
リエーフは階段を上ると扉を1度開け、再び閉めたかと思えば私を手招きした。
リエーフに言われた通り私はドアの前に立つ。
「美優さん、目瞑って?」
リエーフに言われるがまま目を瞑ると目を瞑った上からリエーフの大きい手が被せられる。
『怖いんだけど…』
「じゃあだっこ『自分で歩きます。』
「美優さん、即答ですか…」
少しだけ拗ねたような声に思わず口元が緩む。
扉が開く音がしてリエーフに促されると、私は足元を探りながら前に進んだ。
外に出ると、暑さでじわりと汗がにじむ。最近は夜も蒸し暑い。これ以上暑くなるのかとため息をつきたくなるような暑さ。それと、見えない恐怖も相待って背中をつ、と汗が流れ落ちた。
「じゃあここで。」
リエーフはそういうと私の目から手を外す。
「目、開けてください。」
何があるんだろう。
恐る恐る目を開ける。
目を開けると目の前には一面に輝く星空があった。