第5章 初!合宿。
野菜を入れた鍋を火にかけると、私は中華出汁を取り出し鍋にいれた。
「あれ?素麺って和風だしじゃないんですか?」
近くにいた赤葦くんが声をかけてくる。
『私なりにアレンジしてるだけ。それにこっちの方が音駒では好評なんだよ。犬岡くん。ほうれん草洗ってもらっていい?』
「うまい飯食えるんならなんでもやるっす!」
ほうれん草の袋を指さすと犬岡くんは豪快に袋を破きほうれん草ねか根元の泥を洗っていく。
醤油を回し入れていればクロが沸騰したことを教えてくれたので次の指示をする。
『やっくんが洗ってくれたザルにお湯ごと中身移して?熱いから気をつけてね?』
「そのあとは?」
『少し水で冷やしていいからこっち持ってこれる?』
「おう、任せろ。」
「ほうれん草洗ったっす!」
『犬岡くんありがとうね?』
犬岡くんからほうれん草を受け取るとほうれん草を食べやすい大きさに切って、茎から入れていく。
「こっち沸騰しましたよー?」
『おっけーリエーフ!』
私はリエーフの方に向かうと、スマホのタイマーをセットする。
そしてそうめんを20人分一気に鍋に投入した。
『タイマーなるまでかき混ぜてて?吹きこぼさないように火加減気をつけてね。
「任せてください!」
リエーフを素麺係に就任させるとタイミングよくクロが声をかけてくる。
「肉、袋ごとまな板に置いたぞー。」
『すぐ戻る!』
すぐにまな板の前に戻った私はクロに任せておいた鶏胸肉をジップロックから取り出す。
袋の中に入っている鶏肉の油は汁を作ってる鍋に投入。
鶏肉は一口サイズにして汁を作っている鍋に投入した。
『クロとやっくん!奥の部屋から食器!前にうどん食べた時のどんぶり!えっと…人数分、後、お味噌汁のお茶碗4つ持ってきてすすいでおいて?あと割り箸の袋も出してきてくれたら嬉しい!』
「「了解。」」
お腹が空いてるからかみんないい動きするね。助かる。
2人が準備室に食器を取りにいくのを見送りながら、私は汁の鍋をかき混ぜつつそうめんが茹で上がるのを待った。