第5章 初!合宿。
調理の許可を取り調理室に向かうと早速何人かが集まってきている。私は手慣れたように調理室の扉を開け、中に入った。
ご飯炊いたら遅くなっちゃうしなぁ…
明日麺にするつもりだったけどご飯に変更するか。
メニューを決定すると私はみんなに問う。
『温かい素麺作るけど何人前食べれそう?』
そう問えば腹ぺこさんたちは口々に声を上げる。さすが男子高校生と言えばいいのか、2人前は当たり前のメンバーがたくさんだ。名前がわからないため黒板に名前を書いてもらい、その横に何人前食べるのかを書いてもらった。
音駒は、クロ、やっくん、リエーフ、犬岡くん。
烏野は、日向くん、影山くん、山口くん、西谷くん、田中くん、菅原くん。
梟谷は、木兎くん、木葉くん。
計、12名。
と、付き添いに烏野の月島くんと澤村くん、そして梟谷の赤葦くん。
20人前作れば間に合うか…
私は大きな鍋を2つ持ち出し、2つにお湯を張る。
片方を火にかけると、リエーフを呼ぶ。
『リエーフ、こっちの鍋沸騰したら教えて?』
「はいっす!」
それを横目で見ながら私は冷蔵庫をあさる。
明日の夜の分もあるから…
少し考え、ぶなしめじ、玉ねぎ、人参、ほうれん草を取り出し机に並べた。
「肉入んねーの?肉!」
梟谷の木兎くんは私の持っている具材にやや不満そう。
『今からお肉食べたら消化に悪いでしょ!』
「肉入んないんすか?」と、リエーフ。
「肉…」と、烏野10番くん。
「肉…」と、烏野9番くん。
なんだこの肉食べたい集団は!
しょうがないな…
私は鍋の棚から雪平鍋を持ってくる。
『クロ!これ沸騰するまで見てて!』
ジップロックに入れて冷凍しておいた鶏肉をそのまま水を張った雪平鍋に投入し、クロに預ける。
「はいよ。」
『犬岡くん玉ねぎの皮むいて!』
「はいっす!」
『やっくんぶなしめじ切ったらバラして!』
「おう!」
私は音駒メンバーに次々に指示を出す。その間に、人参の皮をむき、いちょう切りにして鍋に入れる。
「むけたっす!」
犬岡くんから玉ねぎを受け取り適当な大きさに切って鍋に投入。
「ばらせたぞー!」
『やっくん、仕事が早い。そのしめじ1回水ですすいだら鍋に入れてー!』
「了解。」
『終わったらざる洗ってくれると助かる!』
「やるやる。」
さすが。うちのリベロは本当に有能だ。