第5章 初!合宿。
「腹…減っちゃいました。」
お腹を鳴らし照れ笑いするリエーフに釣られて緩む頬。しかし、食堂も閉まった今、食べるものは何もない。
いや、あるな。
リエーフの腕から抜け出し目の前にしゃがむとお腹を鳴らした張本人に問いかける。
『なんか、作ろうか?』
「マジすか!」
夜食のお誘いに、嬉しそうに鼻歌を歌うリエーフ。
でもさすがにリエーフだけに作るのもなぁ…
あ、そうだ。
名案が浮かんだ私はリエーフに静かにさせ、スマホを取り出し操作すると、耳元に当てた。
『あ、クロ?それについては後から聞くわ。ちょっとお願いあるんだけど…今、お腹空いてたりしない?
うん。察しのいいあんた、嫌いじゃない。
そうそう。先生には今から許可取りに行ってくるから。ほかの学校にも聞いておいて?
じゃあよろしくー!』
そう言うと通話を終了させる。
そしてリエーフの腕を掴むと顧問の先生方の部屋これからのことの許可を取りに向かった。