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あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第49章 さくら、ひらひら。





「やっぱりまだ寒いっすねー。」

はーっと白い息を吐くリエーフ。

首には私と色違いの黒のマフラー。
私も白いマフラーを首に巻いている。



『リエーフ、手、繋いでもいい?』


そう聞けばリエーフは笑顔で私の指に自分の指を絡める。

私よりも外にいたからひやりとする手に熱が伝わるようにぎゅっと強く握った。





ーーーーーー



「美優さんまたあとでねー!」

下駄箱の前でリエーフと別れると私は教室に向かった。


まだ、3年生はほとんど登校していないようだ。
1、2年生の声、吹奏楽部の金管の音色が随分遠くから聞こえる。




端から数えて5番目。
3年5組を目指してゆっくりゆっくり歩く。


からからっ

扉を開けば、式典用のスーツに整った髪型のマサちゃん。

「おう。椎名が一番乗りか。」

『おはよ、マサちゃん。私が1番だってわかってたくせに。』


マサちゃんは「まあな」といい、くくっと笑う。

そんなマサちゃんを横目で見ながら私は鞄を置くために自分の席に向かう。

鞄を置いて席に座ろうとした時、マサちゃんは私の名前を呼んだ。




「椎名。」


『なに?マサちゃん。』


「ほら、これ、受け取りに来いよ。」



マサちゃんが持つピンクの花飾り。

それを受け取りに私は教卓の前へと歩く。













「美優、卒業おめでとう。」










そう。
今日は卒業式。



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