第5章 初!合宿。
そんな時、後ろからがばりと何かに包み込まれる。
布⁈なにこれ⁉︎
剥がそうとするけれどそれより前に私の体が宙に浮く。
抵抗する間も無く私は誰かに抱き抱えられた。
『嘘、何!』
「美優さん連れて行きますねー!」
「おいこら!消灯時間まで時間ねえからな。」
クロの声が聞こえたかと思ったら、私を抱きかかえた人はどこかに向かって走り出す。
『え⁉︎ちょっ⁈誰⁉︎』
「俺っす!美優さんそのままでいてください!」
声の感じからリエーフだと言うことがわかる。多分タオル?を被せられ、いわゆるお姫様抱っこで運ばれているらしい。
『リエーフ…周り見えないの怖い…』
「絶対落としません!」
抱き上げられ移動する恐怖に体をこわばらせながらも、タオルからふわりと香るリエーフの香りに包まれ、どうにかなってしまいそう。
そんなことを考えていたら、急にドアが開く音がした。
「美優さん、降ろしますよ?」
優しく足元から降ろされ、やっと地面に足がつく。
被せられていたバスタオルを取ろうとしたが、それより早く何かに掴まれ、タオルから出るのを妨害された。
『リエーフ…タオル取ってもいい?』
「今…顔見られたくないっす…」
『そう言われると逆に見たい。』
見せて。バスタオルの隙間を見つけ、そこから顔を出す。バスタオルは抵抗なく剥がれていく。
真っ白な世界から飛び出すと、そこには頬を真っ赤に染め、少しだけ泣きそうな顔をしたリエーフの顔があった。