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あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第46章 ショコラの魔法を私にかけて。



1人もふもふとクレープを食べる。
しかし食べ終わってもリエーフは帰ってこなかった。

遅いなー。
スマホを見ながら待っていると目の前が陰る。

リエーフ帰ってきた…?

顔を上げれば知らない男の人が2人。

「ねえ、キミ1人?俺たちと遊ぼうよ。」

ナンパ…?
やだな…関わったら面倒。
そう思い無視を決め込むと、肩を叩かれる。

「無視とか酷くない?遊ぼうよ。」

『1人じゃありませんから。』

「友達?じゃあその友達も一緒に遊ぼうよ?」

『お断りします。』

しつこい…
ため息をつきつつ少し移動しようと立ち上がると手首を掴まれる。

「いろいろ奢るよー。」

『そういうのいりませんから。』

「近くに車停めてるから行こうよ。」

『離してください。』

掴まれた手を振り払おうとするけど力が強すぎて離れない。

「じゃあ行こっかー。」

『止めて!離して!』

1人に手首を、もう1人に背中を押され出口に押されていく。

『止めてよ!』

「みゆさんっ!」

遠くから声が…って早っ!
距離詰めるの早っ!

リエーフは私の手首を掴んでいた男の手首を掴む。

「その人、俺のなんすけど…返してもらえませんか?」

地を這うような低い声と射殺すような視線。

それを受け、ナンパ男2人は私から手を離す。





「あ…あー。彼氏居たんだねー…」

「失礼しました…」

そう言いながら2人はそそくさとどこかに去っていった。
ホッとしたのもつかの間。
リエーフにガシッと肩を掴まれるとぐいと引き寄せられる。

「美優さん大丈夫⁈怪我はない⁈どこか触られたりしてない?セクハラされてない?」

『大丈夫だよ?リエーフ。手首掴まれたのと背中押されただけ。』

そういうと私はリエーフの胸の中に閉じ込められた。

『リエーフ帰ってこないから心配した。』

「ごめん美優さん。」

ぎゅっと抱きしめ返せばがさりという音。

音の聞こえた方を見れば、私が好きだと言っているブランドのショップバッグを肩にかけている。

『リエーフ?トイレじゃなかったの?』

ショップバッグをつんつん突けば、あ、とちょっとマヌケ顔。
そしててへぺろ。

「じゃあいきましょう!」

少しごまかすようなその雰囲気にもやりとしつつ、私はリエーフと手をつなぎながらまた散策を開始した。


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