第46章 ショコラの魔法を私にかけて。
珍しく夕飯まで外食した私達はいつもより遅い時間に沢山の荷物とともに帰宅。
『すぐにお風呂の準備しちゃうね?』
「はーい。」
朝のうちに洗ってあるからお湯を入れるだけ。
お湯を張り、リエーフの着替えを準備してリビングに戻ればリエーフが買ってきた袋を開けて何かをしている。
『リエーフ?』
「うわっ!美優さんっ!」
あわあわしながら何かを隠そうとするリエーフの手元を見ると…エプロン?
「いつも料理してる時エプロンつけてないから…」
白地にブルーグレーの小花柄。
ウエストと肩に掛かる紐はダークブルー。
裾には紐と同じ色のレースがあしらわれた私の好きなブランドから出されている期間限定品。
「このエプロンしてる美優さん可愛いだろうなって思って…つい…」
そういうとリエーフははいと私にエプロンを渡す。
私はそれを受け取るとじっと見つめ、そして体に当ててみる。
『似合う?』
「もちろん。誰が選んだと思ってるんですか。だって誰よりも美優さんのこと見てるんですから。」
自信満々。
憎たらしい。
でも、そんなところも好き。
『リエーフ、ありがとう。』
そう、リエーフに言うとそっと左手を取り薬指に口付ける。
「お礼は、これ着てHなんか…」
『そんなもったいないことできません。』
ですよねー。
そう呟いたリエーフの背中を軽く押すと、私はリエーフをお風呂に向かわせる。
もらったエプロンをささっと畳んだ後、私もお風呂に入るため自分の着替えを準備しに部屋に向かったのだった。