第45章 ばれんたいんでぃ
私が声を発してすぐ、リエーフは私の方を振り返る。
「みゆさん…?え?なんで?え?水着?」
ちなみに上下水着着用済みでございます。
『バレンタイン…だし、これ、試してみたいなって…思って…』
そう、言うと私は手に持っていた袋をリエーフに渡す。
「入浴剤…?チョコレート?」
『そう。お肌にいいらしいんだけど使う機会なくて、バレンタインだし、使ってみたいなーって。』
どうかな?と聞けば、リエーフはにかりと笑い入浴剤の袋を開ける。
そして勢いよく浴槽のお湯の中に入浴剤を入れた。
たちまち漂うチョコレートの香り。
「すっげ…チョコレートの香りだ。」
『うん…』
リエーフは先に浴槽に足を入れると私に手を伸ばし、どうぞ?と誘う。
リエーフの手に自分の手を乗せると私も浴槽に足を入れ、一気に肩までつかった。
「うわぁ…なんかすげー。」
『いまいち綺麗になった気はしないけどたまには楽しいかも。』
リエーフもしゃがみ込みお湯に浸かると私を足の間に座らせる。
「つーかなんで水着なんですか?」
そう聞きながらリエーフは首元の水着の紐を指先でなぞる。
『だって…明るいところ、恥ずかしいから…』
そう言いうつむくと、背中からぱちんという音。
そして緩む胸元。
しゅるりと紐が解かれれば、胸を覆っていた水着が脱がされる。
『ちょっとリエーフ⁉︎』
「別にチョコレートの色で見えないんだからいいじゃないですか。」
胸元を隠しながら後ろを見ればリエーフはにかりと笑みを浮かべていた。