第45章 ばれんたいんでぃ
「…ゆさん…みゆさん?」
リエーフの声がする。
『りえ…ふ?』
「遅くなってごめんなさい。家寄ってたら遅くなりました。」
『ううん。大丈夫。』
ぐーっとリエーフに手を伸ばすとリエーフは手を掴み引っ張ってくれる。
起き上がったタイミングでふわりと暖かい感触。
ふわふわのセーターに顔を埋めるといつものフレグランスの香り。
心地よくてすり寄ると頭を撫でられたのでそのままリエーフの胸に顔を埋めた。
「最近美優さん甘えただね。」
『いーの。ぎゅーするの。』
自分からこんなことするタイプじゃなかったのに。
リエーフと一緒にいるようになってから、すごく甘えたがりになってる。
そんな気持ちを知ってか知らずかリエーフも甘やかしてくれるからついつい甘えてしまう。
満足したところでリエーフから離れ、ソファから立ち上がる。
『じゃあ、ご飯にしようか。』
そう言って笑うとリエーフも返事をして満面の笑みを浮かべた。