第45章 ばれんたいんでぃ
「みーゆさーん!」
部活が終わったらしいリエーフが調理室に走ってきた
『リエーフ静かに。』
リエーフを制すると、私は座っていた椅子を片付けて外に出ると施錠をし、歩き出す。
ジャージのまま私の横を歩き出すリエーフ。
『私、職員室に鍵返してくるからこれ、食べてていいよ?』
そう言うと手に持っていたマフィンをリエーフに渡す。
リエーフはにかりと笑い、鼻歌を歌い始めた。
『じゃあ行ってくるね?』
「玄関で待ってますねー!」
日の落ちた校舎は人気もなく真っ暗。
遠くにほんのり職員室から漏れる明かりが1つ。
急ぎ足で明かりに近づきドアをノックし、開けると遠くに1人、先生がいた。
『失礼しまーす。調理室の鍵を返しにきましたー。
ちゃんと閉めたからねーマサちゃん。』
そう。
職員室にいたのはマサちゃん。
マサちゃんは私の声を聞くとそのまま手を挙げる。
「おう。気をつけて帰れよー。」
『マーサちゃん。さっきはありがとね?』
マサちゃんの背中に私は声を投げかける。
『あと少し、”生徒”としてよろしくお願いします!』
そう伝えると、マサちゃんは「おう。」と背中で返事をした。
『じゃーね?次の登校日に作るメニュー決まったらメッセージ送るから。』
そう伝えると私は玄関に向かって走り出す。
様々な気持ちを吹っ切るように。