第44章 春の高校バレー。
「おっはよーございます!」
リエーフが真っ赤なジャージの集団に声をかける。
私も一緒に声をかけるとみんなが挨拶を返してくれる。
「美優…遅い。」
『ごめん、けんま。お弁当作ってたら遅くなった。』
「きっきっきっ今日もお弁当をっ⁈」
『山本は落ち着いて。』
「椎名さんの弁当楽しみなんすよね!」
『ありがとう、犬岡。』
「…」
『無言でもなんとなく伝わってくる。お弁当楽しみなんだね?福永?』
「いつも悪いな、椎名。」
『ううん、私これしかできないから。あ、海君、監督きたみたい。』
「それ、部長の俺に言ってくれたら嬉しいなー。美優ちゃん。」
『うっさいクロ。やっくん、足、大丈夫?テーピングに湿布いろいろ持ってきてるからね?』
「だーいじょうぶだって!今日はそんなヘマしねーよ。」
「みなさん、会場入っててくださいだそうですよ?これ、大会のパンフレットです。」
『芝山ありがとうね?じゃあ…』
『突撃しましょうか。』
「そうだな。じゃあ荷物持って行くぞー。」
こうして私達、音駒高校男子バレー部は会場入りした。