第43章 寝坊と、コーヒーと、それから。
家に帰り、軽く掃除をしながらお風呂が沸くのを待つ。
リエーフをお風呂に行かせようと思ったら、テレビに捕まったらしく私の話も空返事。ってことで、私が先にお風呂。
私がお風呂から出た頃にちょうど番組が終わったみたいで入れ替わりにリエーフもお風呂。
その間に私はバウムクーヘンの準備。
コーヒーは家に帰ってきたときに新しいものを入れ直しておいた。
リエーフのマグカップに2/3、コーヒーを注ぎちょっとだけ蜂蜜を入れる。
人肌に温めた牛乳を注げばリエーフ用のカフェオレの完成。
自分の分はブラックで。
さっき買ったバウムクーヘンを切ってお皿に並べているとキッチンに髪の毛を拭きながらリエーフが入ってきた。
ただ拭いただけの髪の毛はいつもの整った状態など想像できないくらいくしゃくしゃ。
『髪の毛乾かしてあげるから。行こ?』
「えー、バウムクーヘン…」
『髪の毛乾かさないとあげません!ほら、行くよ?』
マグカップとバウムクーヘンをお盆にのせ、リビングに向かう。
テーブルにそれらを置き、リエーフにまだ食べないように促した跡、お風呂からドライヤーを持ってくる。
そして。ラグの上にリエーフを座らせると、ドライヤーのスイッチを入れた。
ブラシで梳かしながら乾かすとリエーフは気持ちよさそうに微笑む。
サラサラの髪の毛が指の間を通り抜ける。
羨ましいくらいのサラサラストレート。
根元までしっかり乾かしたことを確認するとパチリとドライヤーを止めた。
「終わりました?」
『うん。完璧。』
「じゃあ食べましょう‼︎」
バウムクーヘンが乗ったお皿を私に手渡しながらリエーフはにかりと笑った。