第42章 ねんまつねんし。〜初詣とその後。〜
「あ、ついたみたいですよ?」
スマホを見ていた蛍がそういうと同時。
私達の後ろから蛍を呼ぶ声がする。
振り返れば蛍より暗めのミルクティー色の髪がキラキラ光る。
明光さんが手を振っていた。
私は明光さんに近づき、会釈をすると話を始める。
『こんにちは。明光さん。食事は取りましたか?』
時計を見れば12時を少し回ったところ。
明光さんは、あはは…と苦笑い。
「実は、昨日飲みながら寝落ちして気付いたら昼近くて…まだ何にも…」
その話を聞いてこちらも苦笑い。
『じゃあ、胃に優しそうなもの買ってきますよ?座っててください。』
「いや、俺も行くよ。俺の飯だし。」
そういうと明光さんは私達の席に荷物を置くと私の方に歩きよってくる。
「たまには若い女の子とデートしたいからね?」
ふわりと笑う明光さんと歩き出す。
『ごめんなさい。私彼氏いるんですよー。』
「残念だなぁ。俺、美優ちゃんもろタイプなんだけど。」
冗談交じりの掛け合い。
ちょっと楽しい。
私は明光さんと2人、イートインスペースから出ると、パンを選び始めた。