第42章 ねんまつねんし。〜初詣とその後。〜
「みゆさーん!ってあれ?準備終わったんですか?」
ひょこり、顔を出したリエーフ。
不思議そうな顔で私に近づいてくる。
『これやってくれたのって…』
「俺っす!だって女子は身だしなみに時間かかるじゃないですか。」
だったら準備がすぐ終わる俺がやった方がいいかなって思って。
そう、笑って話すリエーフ。
でも私は知ってる。
服のコーディネートには人一倍時間をかけること。
食べていいよと言っておいた私の分のムニエルやベーコン、サラダを、残しておいてくれてることも。
キッチンのことをやっていたからまだパジャマ代わりのスエットとTシャツ、カーディガンでいることも。
私はとてとてとリエーフに近づくときゅっと抱きついた。
『リエーフありがと。』
「じゃあ、お礼は…」
そう言いながらリエーフは自分の唇を人差し指でトントンと叩く。
私は周りを見て誰もこないことを確認すると、リエーフをしゃがませた。
『後はみんな帰ってからね…?』
静かな声で呟くと、私はリエーフの唇にそっと触れるだけの口づけをした。