第42章 ねんまつねんし。〜初詣とその後。〜
鍋は主に木兎とリエーフがしこたま食べ、締めは豚骨醤油でラーメン。
ごま豆乳鍋の方は小さい鍋に移動させて冷蔵庫に。
お腹いっぱい食べて苦しいくらい。
私とリエーフ、蛍が食器を洗っている間、先にお風呂に入ってもらって、先にお風呂に入った3人は布団を敷いてもらうように頼んだ。
私がお風呂から上がる頃には寝る準備は万端。
お布団にくるまりながら蛍のお家から頂いた大福と、蛍が来た日に東京駅で買ったお菓子を出してきた。
蛍から「さっきお腹いっぱいだって…言ってませんでしたっけ?」と呆れ顔されたけどそれとこれとは別だって。
毎回(?)恒例のおしゃべりタイムだ。
「無事進路決まった2人で…」
「『かんぱーい!』」
木兎と私は買い物の時に買ってきた炭酸飲料のプルタブを開けるとお互いの缶を軽く合わせ、一気に煽った。
「俺への嫌味か。」
『そんなことないわよー?クロ。自分が行きたい大学から推薦こなかったからセンター受けて頑張るんでしょう?』
クロは反論ができないようでぐっと息を詰まらせた後、はあと息を吐いた。
「くっそ…」
『まあ、センター終わったら美味しいものでも作ってあげるよ。』
にこり、クロに笑いかけるとお返しとばかりにニヤリとクロが笑う。
「まあ、今回いーもん見れたし、頑張るわ。」
「いーもんって何?黒尾。」
「あー、いやな、さっきコイツとリエーフがせ『ちょっ!クロっ!何言おうとしてるの!』
横から大きな声で遮れば、木兎は不思議顔。
「みゆとリエーフなにしてたんもががっ!」
木兎の口をふさぐために私は大福を持って木兎の口に押し込む。
木兎はもっちゃもっちゃと大福を頬張りながら「んめー!」なんて言って笑ってる。
誤魔化せた…?なんて思っていたら木兎以外の2人が感づいたようで…
「灰羽と美優さんは、ナニをしてたんでしょう。月島、気にならない?」
「赤葦さん。ちょっと気になりますね。で、美優さん、ナニしてたんですか?」
『いや、別に、なにも…』
そういうと私は持っていた炭酸飲料を一気に煽る。
『飲み終わったから歯磨いてくるっ!リエーフ!なにも言わないでよ!』
「ラジャー!」
そう早口で話すと私は缶やお菓子のゴミなどを手に廊下に出たのだった。