第42章 ねんまつねんし。〜初詣とその後。〜
4段の重箱を並べ、席に着くように促すとみんなは大人しく席に着く。
『じゃあみんな、手を合わせてー?』
『いただきますっ!』
「「「いただきますっ!」」」
意味を説明しようか、とか
作り方を教えたりしてみようか、とか
考えてはいたんだけど
どんどん重箱の中身がなくなっていくので食べそびれる前に私も重箱の中の料理を口に運んだ。
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おせちとは、正月くらいお母さんが料理をしなくて済むように保存のきくものを作って3が日かけて食べると言われている。
言われている…んだよ…
『せめて今日の夜まで持って欲しかった。』
2日かけて作ったおせちは空。
そう。空。
空っぽ。
『余った分はタッパーとかに入ってるけどさ…』
作った私が手をつける前になくなったものもあるからね…
でもさ…
「んまかった!」
なんてみんなに笑顔で言われたらしょうがないって思えてしまうところが…ねえ?
料理人(?)のサガってやつなのかもしれない。
『まあ、いっか!次のご飯は何にしようか?』