第42章 ねんまつねんし。〜初詣とその後。〜
「さて、どうする?このまま帰るか?」
石段を下りながらクロが言った言葉に「あの!」と遮るように私は声を発した。
みんなが私を見る。
『行きたいところがあるの。みんなで。』
「じゃあ電車に『歩いて…いかない?』
そう、ぽつりと呟けば赤葦は気づいたようでニヤリと笑う。
「ああ、”あそこ”ですか?」
『うん。みんなで行っておきたくて。』
そう言いながら私達は代々木公園の中を歩く。
「あれ?こっちって…」
気づいたらしいクロも声を上げる。
原宿駅前の道路を北上する。
朝焼けの照る街を6人で歩く。
もうすぐ模試、とか
学校始まって欲しくない、とか
すぐに部活が始まる、とか
腹減った、とか
帰った後は何をしようか、とか
いろんな話をした。
そして、私達は辿り着いた。
決戦の地
東京体育館に。