第41章 ねんまつねんし。〜第3体育館組、再来。〜
『けいじ……京治ぃ……』
縋るように呟けば、こくりっと喉を鳴らす赤葦。
「可愛い声で啼くんですね…そんなに必死に俺の名前を呼ぶんですか…?」
私をかき抱く腕に力が入る。
「離したくないな…やっぱり俺、美優さんが欲しい…」
刹那、うなじに小さな痛み。
ぴりりとした痛みでおもわず漏れる吐息。
慌てて唇を自らの手で塞いだけど遅かったらしい。
「もっと…」
『けいじっ…だめ…』
「だめじゃない癖に…」
触れる手はエスカレートしニットの中に忍ぶ。
『けいじ…』
「美優さん……」
ふと気がつけば近づく唇。
私は反射的に顔をそらしていた。
「やっぱりだめですか…」
苦笑する赤葦。
『やっぱりだめだよ…私はリエーフが「美優さん。」
私をぎゅっと抱きしめた赤葦。
さっきみたいにかき抱くんじゃなくて、優しく力強い感じ。
「俺、ちゃんと聞き分けのいい後輩に戻ります。
だからもう少しだけこのまま『だめ。』
赤葦の腕からすり抜けると、私は赤葦の正面に立つ。
そして、そっと抱きしめた。
『好きとかきらいとかじゃなくて…
聞き分けの良すぎる後輩だから心配。
たまには息抜きしてほしい。』
背中をそっとぽんぽん叩くと力が入り固くなっていた体から力が抜けていく。
「美優さんのおっぱい柔らかい…」
『怒るよ。』
「すいません…」
『気を張ることも大切かもしれない。
でもね、張りすぎは疲れちゃうよ。
私が先輩として赤葦にやれることなんてこれくらいしかないから…』