第41章 ねんまつねんし。〜第3体育館組、再来。〜
『もしもし、蛍くんのお母さんですか?』
「はい。椎名さん…よね?蛍がお世話になります。」
『あ、あの…お土産、こんなに頂いてしまって…ありがとうございます。』
「夏も泊めてもらってるからそのお礼も兼ねて色々…ね?
みんなで食べてね?」
『ありがとうございます!』
「今度は宮城にも来てちょうだい。蛍に色々案内させるから。」
『今度、時間があったら是非。じゃあ、蛍くんに電話変わります。』
蛍にスマホを返すと蛍は2言3言話をすると電話を切った。
『緊張…した。』
「別に…これくらい普通デショ。」
用がなくなったため、キッチンから出ようとする蛍を私は呼び止める。
『年越し蕎麦用意してるんだけど、夜ご飯はあっさりの方がいいよね?』
「みんなの好みは知らないけど、僕はあっさりがいいですね。」
『じゃあお昼に牛タン食べよっか?ホットプレートでお肉焼いて焼肉とか?』
うわぁ…と蛍が嘆くので不思議そうに蛍をみれば、ぽつり、言葉を吐き出した。
「夏合宿を思い出す。」
『あの時は主将たちの食べろ攻撃がすごかったもんね…』
私、蛍、けんまがターゲットになったバーベキュー。
確か、しょーよーとリエーフにお願いして食べてもらったんだっけ?
『あれからもう5ヶ月かぁ…』
懐かしいなぁ…なんて思い出し笑いをしていると、ぽんと蛍の手が頭に乗る。
「美優さん…
老けました…?」
『…は?それ本気で言ってる?』
「ええ、なんとなーくですが。」
『……蛍、牛タンなしね?』
そう言って牛タンのパックを取ろうとするとそれよりもワンテンポ早く蛍の手が伸び、牛タンをキャッチし、頭上に掲げた。
『ちょっ、蛍っ、卑怯。』
ぴょんぴょんと飛び跳ねても届かない牛タン。
躍起になって取り返そうとするとすれば急に体が引き寄せられる。
『っ…けい…?』
「会いたかった…です…」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられ、言葉が上から降ってくる。
『ん…』
そっと背中を叩けば腕の力が緩む。
「すいません…しないって言ったのに…」
『わたしこそ急に呼んでごめんね?』
戻ります。そう言って戻った蛍。
久しぶりの蛍の香りにどきりとしたのは
ナイショ