第41章 ねんまつねんし。〜第3体育館組、再来。〜
「おー!来たか。」
東京駅、東北新幹線の改札前で手を振るのはクロ。
『ごめん。ぎりぎり…』
「まだ余裕あるって。」
時計を見れば10時10分前。
『あれ?木兎と赤葦は?』
周りを見れば、クロ1人。
木兎はともかく赤葦がこの時間にいないなんて…
そう思いクロに聞けば、クロは苦笑い。
「木兎が腹減ったって食いモン買いに行って迷子になったから赤葦が探してる。」
迷子って…
『小学生か…』
「見つけたら電話するって。」
『了解。』
「ツッキー、今大宮駅通り過ぎたらしいですよ?」
メッセージが来たらしいリエーフは私達にそう伝えると、きょろきょろと周りをみはじめた。
『どうしたの?リエーフ。』
落ち着きのないリエーフに声をかけると、リエーフは私の方を見てにへらと笑った。
「いや、お土産屋さんいいなーって…」
『まあ、東京住んでてもあまり東京駅でお土産って買わないもんね…まだ少し時間あるし、何か買おっか?』
「やった!」
喜ぶリエーフは早く行こうと急かしてくる。
リエーフに「まて。」をさせながら、柱に寄り掛かるクロにお留守番をお願いする。
『ってことでクロ?10時ちょっとすぎると思うけど、蛍来るまで戻るから待っててー。』
「仕方ねーな。じゃあ、夜メシ豪華なの頼むぞ。」
『言われなくても。じゃあリエーフ行こう?』
「はい!」
私達は、お土産の集まる長い長い通りを覗くために走り出した。