第40章 冬休みまでのカウントダウン。
リエーフの部屋は2階にあった。
部屋に入る前に、アリサさんに服のお礼をし、それから部屋へ。
「どうぞ。」
ドアを開け、中にはいる。
ブルーを基調とした色使いの部屋。
余計なものがない男の子って感じの部屋。
知らないけど知ってる。
壁に掛けられたバレー部のジャージや制服
エナメルのカバン
カラーボックスの上のアクセサリーやフレグランス
机に広がる筆記用具
知ってるものがいっぱいで嬉しくなる。
「何笑ってるんすか?」
嬉しい気持ちが表情に出ていたらしい。
『リエーフの部屋、知ってるものがいっぱいで嬉しいなって。』
正直に伝えれば、リエーフも一緒に笑った。
ーーーーーー
「お待たせしました。」
リエーフがお風呂から戻ってきたので、暇つぶしに読んでいた月バリのページを閉じる。
月バリがあった棚に本を戻している間にリエーフはベッドに座り、ぽんぽんと自分の膝を叩いた。
私はリエーフに近づき、足と足の間に座ると私の肩にかけていたタオルを取り髪の毛を拭き始めた。
「ふわふわですね?美優さんの髪の毛。」
『癖強くて何やってもだめなの。リエーフのさらさらストレートに憧れる。』
「俺は、美優さんの髪の毛好きですよ?」
そういうとリエーフはわたしの髪の束を取りちゅっと口づけた。
「でも、お手入れ大変そうですね。」
『うん。たまにシャンプーも合わないのあって、その時は悲惨。
前髪までうねっちゃう。』
「そうなんすか…」
リエーフは私の髪の毛を拭きながら何かを考え込む。
『リエーフ…?どうしたの?』
私がリエーフを呼ぶとハッとした顔をしてなんでもないですと誤魔化すように笑う。
どうしたんだろう…
「布団、入りましょうか。」
そう促され、リエーフと一緒にベッドに入る。
背中から抱きしめられると安心して力が抜けた。
「美優さん、お休みなさい。」
『おやすみ…リエーフ。』
リエーフの腕に抱かれ、私はいつのまにか夢の世界に旅立っていた。