第40章 冬休みまでのカウントダウン。
12月に入り、冬休みも間近に迫ってきたある日のこと。
その日は休日の部活のお昼。
大鍋に煮たうどんをみんなで食べている時だった。
私、リエーフ、クロの携帯が一斉に鳴った。
『ねえ、私、嫌な予感しかしないんだけど…』
「ああ、俺もだ。」
不思議そうな顔をしたリエーフが自分のスマホを覗く。
「木兎さんからですよ?」
「『やっぱり』」
諦めて中を開けば冬休みの予定を聞くメッセージ、ついでに年末年始に遊ぶお誘いの文章がつらつらと並んでいた。
「木兎、あいつ何考えてんだ…センター年明けたらすぐだぞ…」
そう。
年が明けたらすぐ春高。
それが終われば、3年生はみんなセンター試験。
それなのに…
『木兎、何考えてるんだろ…』
「後で返信するか。」
『うん。』
そんな相談をしていた時、また3人の携帯が一斉に鳴る。
『木兎…いい加減に…』
「ちょっと待って!美優さん!」
リエーフの制止の声を聞き、あわててスマホの画面に目をやると、木兎のものではないメッセージ。
月島:僕は大丈夫ですよ。
『蛍…』
「ツッキー…」
「ツッキーお前…タイミング…」
『でも、蛍来るんなら集まりたいね…』
そういうと、クロは立ち上がり、調理室の入り口に歩く。
「黒尾さん?」
「監督に予定聞いてくる。そしたら予定、組めるだろ?」
『クロ気がきく!よろしくねー!』
「おう。そうそう美優、今日もうまかったぜ。ごちそーさん。」
クロは部員みんなに部活開始の時間を告げると猫又監督のもとに向かった。
よし、片付けしたら、マネージャー業も頑張らなきゃな。
気合いを入れ直すと、私はすっかり空っぽになったお鍋を洗い始めた。