第39章 お宅ほうもん。
食事が終わり、少しだけ談笑。
私が持ってきたゼリーもロールケーキも美味しいって食べてもらえた。
「リエーフ?アリサ?少し、席を外してくれないかい?」
「ママとパパは少しだけ美優と話がしたいな。」
2人のすこしだけ緊張した空気を読み取り、アリサさんとリエーフは自室に向かった。
「さて、美優。あんまり緊張しないで?」
そう言われ、体に力が入っていたことに気づく。
ふうと息を吐き、2人を見ると2人はにこりと微笑む。
「美優、まずはリエーフと一緒にいてくれてありがとう。
家でもずっと君のことを話していたから今日は会えて本当に嬉しいよ。」
「お家のことも…少しだけ聞いてるわ…」
リエーフ…
そこはあまり言ってほしくなかったな…
レイラさんがソファから立ち上がる。
1歩、2歩と私に近づいた。
ふわり
抱きしめられる体。
私、今、レイラさんに抱きしめられてる。
「軽々しく、辛かったわねなんて言えないわ。
でも、私は…私達はミユを抱きしめてあげられる。話を聞いてあげられる。
辛い時はいつでも抱きしめてあげるわ。
だから、いつでもうちにいらっしゃい?」
「私達はもう、美優のパパとママなんだから。」
あったかい。
心があったかい。
そういえば、女の人に抱きしめられたの初めて…かも。
そう思ったとたん、ぽろり、と涙が溢れた。
苦しい涙じゃない。
嬉しい涙。
嬉しい涙ってあったかいんだね。
あったかい気持ちをもらって私、はじめて知った。