第39章 お宅ほうもん。
「いっただきまーす!」
「いただきます♡」
『いただきます。』
美味しそうな食事がテーブルの上に所狭しと並ぶ。
「あったかいうちに食べてね?」
リエーフによそってもらったごはんをぱくりと食べる。
『美味しい…』
「よかった。」
レイラさんが胸をなでおろす。
不思議そうに見れば私の方を見てにこりと微笑んだ。
「レーヴォチカにミユは料理上手だって聞いてたから…いっぱい食べていってね?」
『ありがとうございます。あ、これ…』
「これ、ロシアの家庭料理のヨージキよ?どうしたの?」
『初めて食べたので…肉団子の中に入ってるのってお米?ですか?』
「そうよ?」
私は立ち上がると、レイラさんの方へ歩く。
そして、両手をぎゅっとつかんだ。
『作り方、教えてください‼︎』
「あ、やば。美優さんストップ。」
『どう作るんですか?
どう作ったらいいんですか?
気になってどうしようもないんです!』
私は鼻息荒くレイラさんに話しかけていた。
「はいはい、美優さんストップ。母さんびっくりしてるよ?」
いつのまにか私の隣に移動してきたリエーフに肩をたたかれ、はっと気づけばものすごく前のめりでレイラさんに突撃していたことに気づき、慌てて手を引き、謝った。
『私、レシピが気になると聞かずにはいられないタチで…
びっくりしちゃいましたよね…すいません…』
やってしまった…
嫌われたらどうしよう…
落ち込んでいれば、隣にいるリエーフがとんとんと肩を叩く。
「もう一度落ち着いて聞いてみれば?」
こくり。
リエーフにうなづくと改めてレイラさんに向き直した。
『レイラさん。作り方、教えていただけますか?』
そういうとレイラさんはにこりと笑って言った。
「大歓迎よ?よろしくね?ミユ?」.