第39章 お宅ほうもん。
「美優?レーヴォチカ…リエーフは、好きかい?」
キッチンに向かったリエーフを目で追っていると突然聞かれた言葉。
リエーフのお父さんが私に問いかけた。
『はい。
最初は、好きっていう気持ちすらありませんでした。
でも、少しずつ、少しずつリエーフが好きになって…
今はリエーフがいないとダメなくらいリエーフが好きなんです。
リエーフじゃなきゃダメってくらいリエーフが好きです。』
そう、微笑みながら言えばリエーフとよく似たあったかい手が私の頭を撫でた。
「そうか。リエーフをよろしくね?」
『はい。』
もきゅっ
後ろから不意に抱きつかれる。
これは誰だ?
「みゆちゃーん!私ともお話しましょ?」
あ、アリサさんか。
『アリサさん。お話、しましょう?』
そう言い、微笑めば、キッチンから帰ってきたリエーフが叫ぶ。
「あー!アリサ!美優さんに抱きつかないで!」
「いーじゃない!美優ちゃん可愛いんだもん!今度お買い物行きましょーね?」
「美優さんは俺の!」
アリサさんの腕からゴーインに私を奪うリエーフ。
「レーヴォチカだけのものじゃないじゃない!私もぎゅってしたい!」
リエーフの腕からぐいと引かれアリサさんの腕に。
「やーだ!俺のだもん!」
またアリサさんからリエーフに。
『ちょっ!とまってぇ?』
ボールのように2人の間を行き来する私。
さすがにキツくて静止の言葉をかける。
『ソファに座ればいいと思うんですが…』
そう、私が言えば、納得したように2人はソファに私を連れて移動した。