第39章 お宅ほうもん。
「ただいまー!美優さん連れてきたよー!」
『こっこんにちは!』
玄関で挨拶をすれば奥からパタパタとスリッパの音。
「美優ちゃんいらっしゃい!今日も可愛い♡」
『アリサさん、こんにちは。お邪魔します。』
「みんな待ってるわよ?行きましょ?」
『え?アリサさんっ!ちょっはやっ!』
「わっ!ちょっ!美優さん‼︎」
るんるんと私の腕を引っ張って進むアリサさん。
コンパスの違いか進むスピードが速い。
靴を脱ぐリエーフを置き去りにし、私は引きずられるようにリビングに通された。
「パパー!ママー!美優ちゃんきたわよー!」
『おっ邪魔しますぅ!』
数メートルを全力疾走し、はあはあと肩で息をすれば後ろから落ち着いた女の人の声。
「あなたが…ミユ?」
『はいっ!』
背筋を伸ばし、勢いよく180度回転すればキッチンからグリーンの瞳が覗く。
リエーフより薄くてアリサさんより濃いグリーンの瞳。
そして、アリサさんに似た綺麗なゴールドの髪の毛。
長さはリエーフより少し長いくらいのショートカット。
身長はアリサさんと同じかな?
180近くありそう。
「初めまして。リエーフの母のレイラよ?よろしくね?」
にこり。
笑った顔がリエーフそっくりで高鳴っていた心臓が少しずつ戻っていった。