第39章 お宅ほうもん。
現在午前10時半。
リエーフの家の最寄駅の前。
「ゆっくり歩いて10分位です。」
『口から心臓飛び出そう。』
「そこまで緊張しないでくださいよ。」
『だってリエーフのお家だよ?親御さんだよ?初めて会うんだよ?緊張しないわけないじゃない!』
一息でまくし立てれば、リエーフは苦笑い。
「俺、心の準備もなしに美優さんのお父さんに会ったんですけど…」
『あれは私も来ること知らなかったし…』
「それと一緒ですって。行きましょ?」
リエーフに手を引かれ歩き出す。
「大丈夫っす。俺の親っすよ?美優さんなら大歓迎っすよ。」
そう言って笑うリエーフ。
リエーフがいれば大丈夫。
なぜかそんな気がしてくるから不思議。
ぎゅっと繋いだリエーフの手から
「大丈夫。」って伝わってくる気がした。