第38章 しあいのあと。
「もしもし?今日は美優さんとこって言ったじゃん?
うん。
うん。
ちょっと待って?聞いてみるから。」
リエーフは1度電話を耳から話すと私に話しかけて来た。
「美優さん、急だけど明日、うち来ない?」
『……………え⁈』
なんで急に⁈
「アリサがね?…うちの家族…父さんと母さんに美優さんのこと言ったらしいんです。
そしたら会いたいって…」
『…ご迷惑じゃあ…』
「俺はむしろ大歓迎!アリサに電話変わります?」
そう言われ、スマホを受け取る。
『…アリサさん?』
「美優ちゃん?私。アリサよ?あのね?
今日、美優ちゃんのことパパとママに言ったら2人とも会いたいって言ってるの。
明日レーヴォチカと一緒にうちに来ない?」
『……ご迷惑じゃないですか?』
「むしろ大歓迎!ママなんて予定も聞いてないのにそわそわしながら明日のおやつ作り始めちゃったし。」
『本当に?』
「うん。パパなんか動揺しちゃって雑誌逆さまにして読んでるのに気づいてないわよ?」
『でも…』
困った顔で悩む私を見かねたのか、私の肩をとんとんとリエーフが叩いた。
「美優さん?俺は紹介したいっすよ?美優さんのこと。
それとも、俺の両親に会うの…嫌?」
『違っ!…私なんかでいいのかなって…』
リエーフは持っていたゼリーを机に置いた。
そして私の方に手を伸ばしてきたかと思いきや…
『いひゃいいひゃい!ひえーふ!(痛い痛い!リエーフ!)』
「美優さんがいいんです!他の人なんて紹介しません!」
ぐいぐいと頬を引っ張られうにゃうにゃ言っていれば、リエーフから言われる嬉しい言葉。
『…わかった。』
そう返事をした私の手からリエーフはスマホを取ると、1言、2言話をし、電話を切った。
「みんなでご飯食べるみたいですよ?11時、うちに集合っす。」
『分かった。あ、リエーフ?アリサさんとご両親、嫌いな食べ物ってある?好きな食べ物は?』
すこしだけびっくりした顔をしたかと思えばリエーフは、にかりっと笑った。