第38章 しあいのあと。
リエーフと私用に、プラカップに作っていたゼリー。
スプーンと一緒に持って来ればリエーフの足の上に向かい合わせに座らせられる。
「食べさせて?」
テーブルに置かれたゼリーとスプーンを1つずつ取ると、ずいっと私に渡す。
そしてリエーフは、もう1つのゼリーを取るとスプーンで掬って私の口元に差し出す。
「俺のどうぞ?」
ふるふると震えるゼリーが落ちそうで慌ててぱくりと食いつけば、リエーフも「俺も。」と催促してくる。
雛鳥が餌をねだるように口を開けるリエーフ。
慌ててスプーンでゼリーを掬い口に入れるとにこり笑う。
「これ、作るの大変そうっすね?2層になってるし。」
自分が持っているプラカップをしげしげと眺めてそういうリエーフ。
『そんなことないよ?これ、全部混ぜて冷やすだけ。』
冷蔵庫に入れておくだけで分離して、綺麗に2層に分かれるから簡単なんだよね?
それを伝えると目をキラキラさせて笑うリエーフ。
「今度俺もやってみたいっす!」
『いーよ?一緒に作ろ?』
しばらく2人で食べさせあいをしているとリエーフのポケットから今流行りの軽快なダンスミュージックが流れ出す。
「あれ?電話だ。」
ごめん。と謝ってリエーフは電話にでた。