第38章 しあいのあと。
「「「ごちそうさまっしたー!」」」
さすが高校男子。
9人もいたらあっと言う間に消えていくおかず。
ささみと梅としそのフライ、春巻き、唐揚げ、白身魚のフライ、茶碗蒸し、サラダを3種類。
そこにご飯とじゃがいも、ワカメのお味噌汁。
綺麗に完食。
『デザートもあるよー!用意してくるねー?』
そういうと、私はキッチンに移動し冷蔵庫を開け、いの一番に準備していたタッパーを取り出した。
「美優さーん!手伝いますよ!」
そう言いながらキッチンに走りこんできたのはリエーフ。
『ちょっと待ってね?』
タッパーの中のゼリーに包丁を差し込むと、ぷるんと震えながらタッパーから落ちるゼリー。
それは綺麗な2層になっていて見た目も綺麗。
それを、みんなに行き渡るように切り、ガラスの小皿に並べて、ミントなんか飾ったら綺麗なんだけど…ミントいらないな。
誰か間違ってミントたべそうだ。
『はいこれ、お願いね?』
おぼんに乗せたデザートを渡すと、リエーフはこぼさないように、かつ素早くデザートを持っていく。
残りのお皿にもデザートを並べていけば切り方の問題か、一切れだけ余る。
んー…余ったのどうしよう。
私はそれを戻ってきたリエーフの口の中に放り込んだ。
にこり
緩む頬
リエーフの美味しい顔を見るだけでさっきのも許せてしまう気がする。
私、やっぱりリエーフに甘い。