第3章 嘘だ、私は信じない。
職員室に鍵を返し校舎から出ると、私たちは体育館裏に忍び込んだ。丁度見回りの死角になる場所だから多分見つからない…はず。体育館から外に降りる石の階段にリエーフは腰掛けると自分の太ももをぺちぺちと叩く。
『ん?』
「どうぞ!」
『…これは膝の上に座れってこと?』
「はい!美優さんぎゅーってしたいんです。」
手を広げ待ちの体勢を取るリエーフに思わず苦笑する。きっと嫌だって言ってもリエーフは聞いてくれない。だったら諦めて座った方が賢明だと思い、膝…というか、足の間に座った。
最近、本当にリエーフに振り回されっぱなしだな…
『そうだ、リエーフ?』
「なんすか?」
私は後ろを振り返り、リエーフを見つめた。
『レギュラー入り、おめでとう。』
私はさっきおかずを入れたお弁当を取り出すために鞄を引き寄せ、中をあさっていると後ろから手が伸びてきてリエーフの胸に引き寄せられた。
『どうしたの?リエーフ。』
「俺、レギュラー入りしました。前、告白した時言ってくれましたよね、レギュラー入りしたら付き合うこと考えるって。」
数ヶ月前の告白。
覚えてないわけがない。
「美優さんは俺のことどう思ってるんですか?」
どうしよう。