第36章 ネコとヘビ〜春高代表決定戦2試合目〜
コート外に移動するみんな。
明らかにイライラが増しているリエーフ。
それを見ながら苦笑いするクロ。
何時もの飄々とした顔で汗を拭くけんま。
「梟谷みたいなエースは居ないのに、戸美も強いね…」
不安そうにコートを見つめるアリサさん。
「大丈夫。」
不安そうな顔をしながらも口からは自信のあるような言葉を発するあかねちゃん。
「音駒は簡単に崩れたりしないから!」
音駒の絆は硬い。
大丈夫。
タイムアウトが終わり試合が再開される。
険しい顔のリエーフ。
スパイクを打つけどなかなか決まらない。
イライラしすぎて眉間にシワが刻まれる。
ブロックもボールを落とすことしか考えてない。
腕を振り回している。
リエーフの横をすり抜けたボールはギリギリでやっくんが上げ、最終的に山本が点を決めた。
「リエーフゥゥ‼︎‼︎腕ぶん回すんじゃねぇぇ‼︎取り辛いだろうがァァ‼︎」
やっくんの怒号が聞こえる。
言われたリエーフは後ろにいるやっくんの方を振り返った。
「でも夜久さんは絶対拾ってくれるじゃないですか‼︎‼︎」
観客席まで聞こえる怒号。
逆ギレか。
でも、本当に信頼してるんだね…
やっくんはリエーフの言葉に喜んで照れてるのをクロに言われてるし…
少しだけ沈みがちだった音駒の空気が少しだけ上がった…ような気がする。