第3章 嘘だ、私は信じない。
豚汁を食べてしまったリエーフに雷を落とす役をクロに任せると、私は近所のスーパーに駆け込み、卵と鶏胸肉を購入して急いで学校に戻った。
残った豚汁と今炊いているご飯の量じゃ部活後の差し入れとしては全く足りないからだ。
調理室に戻った私は、鶏肉を一口大に切り調味料で付け込んでいる間、出し巻き卵を作る。
作り終わった頃にはお肉に味が染みているので衣を付けて、油に投入。唐揚げと竜田揚げを作った。
そのあと、急いでおにぎりを握ったけれども調理が終わる頃にはとっくに部活終了の時間になっていた。
『遅くなりましたー!』
調理室のドアを開けると、とっくに片付けも着替えも終えたみんなが廊下で待っていてくれた。
『みんな…リエーフのせいでごめんねー。』
本来なら部活終わってすぐ食べられたのにみんな待たせちゃったよ…
申し訳ない顔をしていると、調理室の前に座り込んでゲームをしていたけんまが立ち上がり私の頭をぽんぽんと撫でる。
「リエーフが悪いんだから…美優は気にしないで?」
「そうそう!美優が悪いんじゃねーよ!じゃあみんな中に入ろうぜ!」
やっくんが号令をかけると、みんなは調理室の中に移動してくれた。
「あの…美優さん…」
リエーフはすまなそうな顔をし私に話しかけようとしていたが一旦無視して豚汁の鍋の方へと急いだ。