第34章 春高代表決定戦、そのまえ。
「でさ、美優、明日の弁当、おかず何?」
一気に変わった声のトーン。
苦笑しながら私も答える。
『おいなりさんとおにぎり、出し巻きとアスパラの肉巻き、ハンバーグ、かぼちゃの煮物、後は作りながら決めてく感じかなぁ?』
「魚、魚は?」
『タラがあったからムニエルにでもする?さすがにサンマは無理。今度の部活で…って…ごめん。』
もしかしたら明日の試合で最後かもしれない。
そんな気持ちが膨らんできて暗い気持ちになる。
「美優、余計なことは考えんな。勝つから。」
クロにそう言われ私は電話越しにこくりと首を縦に振った。
その後私はクロと他愛もない話を少しすると電話を切った。
私にできることはお弁当を作ること、そして、コートの中のみんなを応援すること。
それをするにはまずは睡眠をしっかり取らなきゃなと思い、私は布団に入る。
明日、勝ちますように。
そう祈るように呟くと私はきゅっと目を瞑った。